なるほど!エスカレーターを歩くな問題を斬る

久しぶりのダウンザラインネタです。

ダウンザラインネタって何?と気になる奇特な方がいましたら、ブログコンセプトのページを覗いてみてください(笑)

エスカレーターは歩いてはいけないのか

定期的によく話題になるやつですね。
今回はこれについて書いてみようかと思います。

最初に自分の見解から書いてしまいますが、自分は「100%全員が歩かなくするのは非常に困難」と考えています。

なぜなら、「エスカレータを歩かないように」という啓蒙活動は、日本で「制限速度を守って車を運転するように」と言っているのと似ているからです。

道路を走る車に例えると

ブログのようなパブリックなところで書くことではないかもしれないですが、大半の人が同意できると思われる事実として、日本の道路に設定されている制限速度を常に守って車を運転するのは、住宅地のようなところを除けば、とても難しい場合が多いです。(だからと言って違反をしていいわけではありません)

それは、世の中にはたくさんのスペックが違う車があり、運転する人の運転技術にも差があるにもかかわらず、平均的な車、平均的な技術レベルの運転手にとっても、かなり安全マージンがあると感じられるほど低い速度が設定されているからですね。

海外の国の中には、スペックの高い車に乗った技術の高い人が、好条件で運転してもこれ以上スピードを出したら危険、というような速度に設定されていて、あとは運転手の状況判断に任せるという感じになってるところもありますが、日本はそうではなく、運転手の裁量の余地を限りなく減らして、かなり条件の悪い状況においてもこのスピードなら安全、という速度なので、好条件下においてはかなりの人がイライラしてしまうような設定になっています。

これですと、多種多様な人がそれぞれの事情がある中で運転をしていれば、例えば「注意力が人より高くて、ハイスペックな車に乗った運転技術の高い人」が制限速度を10キロ超えて運転していも、「普通のスペックの車に乗った初心者」が制限速度内で運転するよりも客観的に見ても明らかに安全、ということにもありえたりします。(繰り返しますが、だからと言って違反をしていいわけではありません)

法的にはNGでも、客観的事実として明らか、である場合、100%徹底するのはやはり難しいので、今は日本でも「制限速度を現実に合わせて適切に上げていこう」という動きが出てきています。

では、エスカレーターはどうか

これも、エスカレーターを道路、人を車に例えればわかりますが、人の運動能力は車のスペックと同じように人それぞれ全然違います。注意力も高く体力も十分にある人が、横に立っている人の状況を見ながら歩いて上がっていっても、おそらく安全に上がれる可能性が高いでしょう。

横に立っている人の中に、お年寄りや小さい子供がいたら、上がるスピードを落としたり、無理には上がらないようにしたりして上がることもできるはずです。

車で言えば、もみじマークや初心者マークの車に優しく通行するのと同じですね。

そして、エスカレーターを使う人々には、それぞれの事情があります。

急いでいる人、疲れている人、普通に移動しているだけの人、など。

そんな中で、どんな状況、どんな事情、どんな人、でも安全に上がれる条件というのが、「エスカレーターは歩いて上がらない」というものです。

日本の道路の「制限速度設定」と同じで、個人の裁量を信じるのではなく、最大公約数のルールで縛ってしまう、という思想です。

エスカレーターは片側に寄って乗ったら壊れる、というようなことを言う人もいますが、少なくとも日本のメーカーがその程度で壊れるようなエスカレータを作るはずがありません。人間よりも重たいものが、片側に偏ってすべての段に乗っても全く問題なく稼働するように作られているはずです。

それくらいの強度がなくては、危なくて商品化できないですから。

ですので、エスカレーターに関しても、もともとの考え方(使い方)としては違っても、客観的事実として歩いて上がっても問題がない場合がほとんど、ですので、100%徹底することは難しい。わけです。

特に、階段がなくてエスカレーターしか設置されていない、というような場所ではなおさらです。片方で、エスカレーターを歩かないように、と言っておきながら、もう片方ではエスカレーターしか設置していないのですから、「歩かないように」と言っている方も、建前で言っていると思われてしまっても仕方がないですよね。

どうすればいいのか

自分は、車の制限速度を現実的な速度に上げようとしている動きと同じように、エスカレーターの現実的な使われ方に即した動きをしていく必要があると考えます。

例えば、横に2人乗れるエスカレーターはやめて、1人乗りのエスカレーターを2つ用意して、スピードを変える。

ゆっくりな方は、急がない人、子供やお年寄りなど運動能力が相対的に低い人に使ってもらう。1人分のスペースしかないので、横を駆け上がる人はいません。

速い方は、急ぐ人や運動能力が相対的に高い人が使う。速ければ歩いて上がる必要がないかもしれないし、それでも歩いて上がりたいならば自由に歩けばいい。

おそらく、もっと急がないといけないような人は、今でも階段を駆け上がっているでしょう。

または、もっとエレベーターをたくさん設置して、子供やお年寄りがエスカレーターを使わなくてよいようにするのも解決策としてあると思います。

ルールで縛るのは難しい

結局、設置スペースの問題であったり、設置コストの問題であったり、いろいろな理由で、一定の矛盾があることをわかった上で、建前でルールに頼っているというのが、今の社会情勢です。

もし、このルールを日本人の大半が「理に適っている」と感じるのであれば、自然と2列で歩かずに並んで乗るという状態が広がっていくはずです。

そうなれば、歩いて上がりたい人は上がれなくなりますので、自然と階段を上がるしかなくなりますが、そうはなっていません。

やはり、この「エスカレーターを歩いて上がらない」というルールが、しっくりこないと感じている人がたくさんいるので、広がらないのでしょう。

これに関しては、ルールの徹底ではなく、上に書いたような(当然他にも案があると思いますが)もっと現実に即した問題解決をしないといつまでたっても前に進まないのではないか、と自分は考えます。

みなさんはいかがでしょうか。

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