世の中には様々な考え方の人がいて、様々な考え方の組織、サービスがあります。
自分が日頃から、「これって難しい問題だよな」と感じていて、この問題に直面するたびに「最適解ってあるのだろうか」と思うことがあるのですが、ちょうど最近ツイッターのタイムラインに流れてきた以下のツイートが、まさにこれだなーって感じのものだったので、今日はこの話を書いてみようと思います。
【東京のホテルはこんなもの?】①11月7日22時40分頃、宿泊していた溜池ANAインターコンチネンタルホテルに外出先から戻ってきてタクシーをおりた際、僕は、玄関先で朝日新聞政治部記者に声をかけられたが、そのままホテルのロビーに入った。記者もそのままロビーの中へ。
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) November 8, 2018
自分が知る限りにおいて、橋下さんやホリエモンさんがこの話(ツイートの内容そのものの話ではないです、念のため)に真っ向から戦っているツートップだと思っていて、コトの顛末をよく参考にしています。
別にこの二人の対応が常に最適解だと思っているわけではないですが、この二人は一貫して「合理性」を軸に発言、行動をするので、いろいろ参考にしやすいのです。そして、自分は必ずしも「100%合理的であること」が最適解にはならないのではないかと考えていますが、同時に「合理性がない」行動が最適解になることもないと考えているので、合理性に一貫性がない人の発言、行動はそもそも参考にできないです。
「自分が気に入らない客はお断り」とどう折り合いをつけるか
ここで言う「この問題」を平たく言うと、こういうことですね。
ホテルでも娯楽施設でも公共施設でも、また銀行やクレジットカードなどのサービス、他にも会社の就業規則などもそうですが、とにかく人が複数集まってなにかをするようなものには、必ずいろいろなルールが定められています。基本的にはそのルールの範囲内で利用していれば何も問題は起きないのですが、だいたいどんなルールにも一番最後に書かれているのが、「その他施設側が問題だと判断した場合はご利用をお断りすることがあります」というような趣旨のルールです。これは、定めたルールでカバーしきれないような問題や、ルールの穴を突いた不正な行為を防ぐための最終ラインというような意味合いで記載されるものですが、この最終ラインを安易に運用されてしまうことで、本来の意図を外れていわゆる「自分が気に入らない客はお断り」状態で運用されてしまっていることが往々としてあります。
最初の橋下さんのツイートも同じような状況です。ホテル内にお客さんではない人は入れない、ましてやホテル内で一般人に勝手に新聞記者が取材することはできないというルールなので、そのルールに則れば橋下さんの行動や要求は(ここでは程度の問題は無視します)正当なものであり、ホテルはその要求を正しく処理する必要があります。
ですが、結果的にはホテル内で取材をした新聞記者は何ら不利益を被ることはなく、本来守られるべき客である橋下さんが一方的に不利益を被る形となっていますので、客観的には全くもって合理的ではありません。なぜこうなってしまうかというと、いわゆる「自分が気に入らない客はお断り」という、ルールを定める側が一方的に有利な条件が存在するからです。どんなに他のルールに照らし合わせて、そして社会常識や一般慣習に沿った言動行動であったとしても、ルールの運用者(この場合はホテル)の判断が絶対であるという一文によって、被害者が全く守られないという状況が発生します。対応したホテル側スタッフにどのような背景や事情があったかはわかりませんので、客(橋下さん)よりも新聞社との関係に配慮したのか、単純に面倒なクレーム対応を避けただけなのかなど、本当の理由は知る由もないですが、このようなことはあらゆる場面でよく発生します。
自分がその当事者になったとき、どのように行動できると自分にとって利益が最大になるのか。これが自分の問題意識です。ホリエモンさんもよくタクシーの件でトラブっているツイートが流れてきたりしていますので、100%合理的に行動していれば避けられるものでもないと考えています。
ゴキゲンをとりながら、変化を促すという綱渡り
これが、現時点で自分の利益を最大化する一つの解だと考えているものです。
当事者になってしまったとき、最優先で回避しなければならないのは、「伝家の宝刀を抜かせないこと」です。つまり気に入らない客はお断りルールを持ち出して厄介払いされることを回避することです。それにはまず、ルールの運用者(橋下さんの例で言えば、ホテルのスタッフ)のゴキゲンをとる必要があります。但し、ただゴキゲンをとっただけでは、仮にそれがうまくいったとしても、お断りルールの適用内容が「厄介払い」から「協力」に変わっただけで、「ルール運用者のサジ加減」の範疇から脱することができません。
自分に有利かどうかではなく、お断りルールではない他の明文化されたルールに則って判断される状態になることがゴールですので、ゴキゲンをとることはその状態に進むための第一歩であり、合理的な判断ができる状態に促していけるようなアプローチをしていくことがとても重要だと考えています。
これが、非常に難しい。
人間は十人十色なので、常に同じ方法でうまくいくわけではなく。また、一度心を閉ざしてしまったらもう絶対に開いてくれないような人も中にはいます。そして大抵の場合はこのような状況に直面したときの相手は赤の他人である場合が多いので、そこまで苦労して変化を促すことに時間を使うのがもったいないと感じてしまったり、、、と、いろいろな「難しい」があります。
橋下さんやホリエモンさんのような、SNSである程度社会に影響を与えることができる人であれば、バズらせることで社会全体に少しずつ変化を与えていくようなこともできますが、一般人の場合はどうするのがあらゆる観点(費やす時間、効果、短期的に得られる結果などなど)から「最適」なのか。。。
今の自分のテーマの一つです。
これって、相手がいわゆる「組織」である場合は、ある程度結果に幅があっても「今回はこんなもんかな」で終わることができますが、シチュエーションをすごくフォーカスすると、自分に深く関わりのある人、自分が大事にしたい人、などが相手になることもあり得ます。そこまでいかなくても、自分が利用するイチサービスとかではなく、自分が常時属している組織などでも起こり得ますので、一つのスキルだと思って磨き上げることは意味があることかなと自分は考えていますが、皆さんはどう思いますか?
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